フォートノックス に金は本当にあるのか?

Fort Knox Vault Illustration

📑 目次

フォートノックス の金準備に関する疑念

アメリカは、総保有量8,000トンを超える金準備のうち半分以上を、フォートノックスの22トンの扉の奥に安全に保管していると主張しています。しかし、最後に全面監査が行われたのは1953年。情報公開法(FOIA)により開示された記録によれば、1974年以降の監査では、分析報告書の破棄、未検証の金塊、なぜか再び開けられた保管庫など、多くの問題が指摘されています。そのため、さまざまな憶測が飛び交っているのです。

ドイツの金返還とその不透明さ

2012年、ドイツ政府はニューヨーク連邦準備銀行に保管していた300トンの金の返還を要求しました。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)は返還に7年かかると発表し、実際に返還が完了したのは4年後でした。届いた金塊の多くは再鋳造されており、元のシリアルナンバーが消えていたため、真正性の検証ができませんでした。同様の問題は、他の国々がアメリカやロンドンの保管所から金を返還した際にも見られましたが、いずれも透明性や独立監査に欠けていました。そのため、「返還された金は元の金塊ではなかったのでは?」という疑念や、「返還分の穴埋めにフォートノックスの金が使われたのでは?」という説まで囁かれています。その理由は、そもそも元の金塊がすでに先物市場で売却されていた可能性があるからです。

金の由来と為替操作の歴史

フォートノックスに保管されている金は、1933年のルーズベルト大統領令6102号により国民から没収された金が由来です。これらは1934年の金準備法に基づき、米財務省の「為替安定化基金(ESF)」の管理下に置かれ、同基金にはその金を売却することで為替の操作を行う権限が与えられました。以来、金は市場で売却されたり貸し出されたりして、ドルなどの不換通貨の価値を支えるために使われてきた形跡があります。

トランプとマスクの監査要求の意図

近年では、ドナルド・トランプ氏やイーロン・マスク氏が、フォートノックスの全面監査を要求しています。彼らの目的は、ドルの価値を意図的に下げ、米国内製造業を活性化させ、貿易赤字を縮小し、実質的な国債の返済負担を軽くすることにあります。もし仮に、フォートノックスの金が一部でも欠けていることが発覚すれば、現在の不換通貨システムそのものが一夜で崩壊しかねません。というのも、不換通貨は「信用」に基づいて成り立っており、その信用は一瞬で崩れる可能性があるからです。トランプ氏やマスク氏は、むしろドルの急落を歓迎する可能性すらあります。

金価格の再評価が意味すること

仮に、フォートノックスに金がすべて存在していたとしても、その価格を公式の1オンス42ドルから市場価格(あるいはそれ以上)に再評価することで、米国のバランスシートの資産側は強化されます。これはトランプ氏がさらなる債務拡大を行い、利払いの負担を減らす道を開くことにつながります。

今後予想される通貨システムの転換

実際、最近ではロンドンやスイスからアメリカへ金が流入しており、貿易戦争も激化する中、近い将来、大きな通貨体制の転換が起こるのはほぼ確実と言えるでしょう。

日本の投資家への提言

当社の創業者は、フォートノックス監査などによる金や銀のパニック買いのようなことがある前に、日本の投資家は資産配分の内、紙の資産や不換通貨の割合を減らし、実物の金や銀の割合を高めるべきだと提言しています。もちろん、金や銀を取り扱っている当社には多少のバイアスがあるかもしれません。ただし、監査の有無に関わらず、実物の金や銀の不足が起こる可能性は高いというのが当社の創業者の見解です。

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